天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蕪村の画賛句(10/11)

  いかだしの蓑やあらしの花ころも    安永九年(65歳)か、自画賛

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  詞書に「雨日嵐山にあそぶ」、自賛の前書に「嵐山の花にまかりけるに 俄に風雨しけれは」とあり、また落款に「酔蕪村三本樹井筒屋楼上おいて写」とあるらしい。
 句は、保津川を下ってくる筏士の蓑は、嵐山の雨風にのって散り来る花を被って花衣と化している、という内容。平安時代後期の歌学書『袋草紙』に、藤原公任の逸話「大堰川に浮べた三船(和歌・漢詩・管弦)のどれに公任が乗るかが話題になるほどに、公任はどれをとっても優秀だった。三船(さんせん)の才という。」ならびに、歌
  朝まだき嵐の風の寒ければ散るもみじ葉を着る人ぞなき

があり、それを参考にした句という。

[参考]https://blogs.yahoo.co.jp/shashunsei/15073817.html