天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

金槐集と新古今集

 今日は、いよいよ大晦日。名古屋から新横浜経由藤沢へ帰る。
 源実朝藤原定家を師と仰ぎ、定家も懇切丁寧に面倒を見たことはよく知られている。だが、実朝の『金槐和歌集』は、万葉調ということで、賀茂真淵正岡子規斉藤茂吉らによって称揚された。塚本邦雄は、新古今集に学んだ点を見逃すべきでないとして、次のような例をあげる。
  涙こそゆくへも知らねみわの崎佐野の渡りの雨の夕ぐれ   実朝
  心こそゆくへも知らぬ三輪の山杉のこずゑの夕暮の空    慈円
  駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮  定家

 新古今集の名作二首を両断して継ぎ合わせた。この幼稚さ加減は苦笑を誘うが、あまり言及された形跡もない、と塚本は分析してみせる。

TVはどの番組もバカバカしいものばかり。唯一NHKの教育番組をみて寝ることにするか。