天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

氷魚(ひうを)

NHKテレビ「キッチンが走る」より

 鮎の稚魚のこと。2,3cmで無色半透明だが、死ぬと白濁する。琵琶湖産が有名。生のまま醤油をかけて食う踊り食いが知られている。


  吾が背子(せこ)が犢鼻(たふさき)にする円石(つぶれし)の
  吉野の山に氷魚(ひを)ぞさがれる
                 万葉集・安陪子祖父


  いかで猶ほ網代(あじろ)の氷魚(ひを)に事問はん何によりてか
  我をとはぬと             藤 真行女


  氷切りて漁(と)りたる魚は生きてあり山の我が家(や)に
  くばりて持ち来             島木赤彦