天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

みたままつり準備

砂浴びの雀幸せさうな夏 靖国やみたままつりの炎暑なる 産土の夏越の祓へビル谷間 産土やビルの谷間の夏祓 老人に鳩がつきゆく夏帽子 背な濡らし真鯉色鯉回遊す しつこさは鳩の求愛空つ梅雨 瀧音を鳩が聞きゐる斎庭かな サングラスとりてながむる鯉の群 国益…

パール判事の石碑

色鯉や斎庭の池を遊弋す 梅雨寒の斎庭に群るる土鳩かな 緑陰や斎庭の昼をたもとほる 風涼しパール判事の石碑建つ

短歌人・横浜歌会

今朝の産経歌壇・小島ゆかり選に、次の歌が載った。6月5日に作ったものだから、投稿して一ヶ月内で掲載されたことになる。 じりじりと首筋暑き温室に交配すすむブーゲンビリア 午後から短歌人・横浜歌会があるので、午前中は例によって北鎌倉を歩く。 足固…

イソヒヨドリ

にごりたる暗き水面に浮かびくるうろこ付けたる生き物の口 鍵かけて電話はづして書き写す字画正しき般若心経 朝戸出のをみなを横にぴくぴくす心臓付近の胸の筋肉 面構へライオンに似る野良猫がベンチの下の日陰に眠る 帆柱の綱さんざめく揚陸のヨットならべ…

父の日

昨日歩きすぎた疲れが残っているのか、今日はいまいち体のキレが悪い。鎌倉の報国寺と浄妙寺に行って早々と帰宅する。 太刀洗細き流れにあぎとひて緋鯉真鯉はこの世を生くる 鉦木魚たたきて読経はじまれり額の花咲く山水の庭 竹林の青き光にたたずめばほのか…

短歌人東京歌会

今日は、歌会前の午前中に荒川に行くことにして川口駅で電車を降り、荒川大橋を通るバスに乗ったつもりが、間違えてしまった。帰りは荒川から赤羽駅まで、これも方向を間違えて同じ道を往復したりで、えらい距離を歩くはめになった。久しぶりに大汗をかき、…

噴水2

東京に向かう朝の湘南ライナーの中で思案を続ける「噴水」の歌。 噴水のしぶきに小さき虹たてり港の見える丘公園に 噴水のしぶきに濡るる赤き薔薇外国航路の白き船見ゆ 横浜歌会の題詠「走る」には、 かなたなる虹つかまむと10年を走りつづけし敷島の道も…

噴水1

「噴水」の題詠を電車の中で思案している。 がうがうと地底をはしる熱湯の噴き出づる海熱海といへり がうがうと地底をはしる熱き湯の時に噴き出づ熱海駅前 伊豆山の地底深きにわだかまる熱き湯噴けり走り湯の口 高々と湯を噴き上ぐる力あり間欠泉は諏訪湖の…

開成あぢさゐ祭

まばらなる早苗気にして植ゑ足せり 鄙びたる唄や踊りや額の花 酔芙蓉明神ヶ岳まなかひに 立ち並ぶ幟と見えし葵かな 鄙唄に顔のあからむ葵かな 山出づるハングライダー雲の峰 媼らのうたふ鄙唄気恥づかし赤き蹴出しの主婦ら踊れる 白足袋に赤き鼻緒の雪駄はく…

極楽寺から長谷寺へ

薬の処方を待つ間 フェニキアのワイン運びし船ありき白砂つもれる海底の壺 イスラエル沖に沈めるフェニキアのワインの壺に赤き魚群る 江ノ電にて極楽寺に向かう 江ノ電や江ノ島駅の花ざくろ 満福寺下を過ぎて七里ヶ浜へ 義経の歯軋り聞こゆ腰越の寺に残れる…

植物園

官公庁クールビズなる更衣 靄はれてカッと射したる夏日かな 花菖蒲松の木陰に水を飲む あやめ描く人と話せりカメラマン ことさらに油絵に描く白菖蒲 スケッチに色をのせたり花しやうぶ 睡蓮の葉裏つつくや熱帯魚 薔薇園に退廃の色にほへりき 朝露を帯びて散…

大岡越前守忠相

十一時二十五分、茅ヶ崎駅から文教大学行きのバスに乗って二十分ばかり走り、堤坂下で下車する。そこから歩いて更に二十分ばかり、窓月山・浄見寺に着く。浄土宗のお寺であり、大岡一族の菩提寺である。天正十九年(一五九一)二代目忠政は、徳川家康から堤…