天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

砂時計

透明な中空の管に入れた砂の落下で経過時間を計る装置。砂時計の本体部分は、ガラス等の透明な材料で作られた、両端が閉じ、中央がくびれた管でできており、その中には本体の容積の半量以下の砂が封入されている。一般に「砂」と呼ばれるが、自然砂以外の粉…

神奈川の力石3

現在、横浜市内の力石をめぐっている。今回は以下の三カ所を訪ねた。平戸白旗神社はその場所を探すのにかなり歩いた。弘明寺では、どれが力石なのか、お寺の人に聞いたが分らなかった。高島教授の著書で確認した。光明寺では、石が八つ手の下にあって気付く…

地獄

仏教で説く六道のひとつで、罪を犯した者が死後に責め苦を受ける世界。平安時代に描かれた地獄草紙は、生前に犯した罪業によって堕ちるさまざまな地獄の有様を描いた絵巻で、『正法念処経』の経文を解りやすい和文になおして詞書とし,それに対応する絵を添…

一字空けの歌

先日、このブログのある読者から、ブログで紹介した次の永田紅の歌につき、三句と四句の間に一字空けがあったように思うが、との御質問があった。 思いきることと思いを切ることの立葵までそばにいさせて 永田紅 この歌の載っている歌集『北部キャンパスの日…

蜂蜜

ミツバチが採取した花蜜。ミツバチの唾液の酵素により、ショ糖がブドウ糖と果糖に転化され、主成分は水分20%、ブドウ糖35%、果糖40%、ショ糖数%で非常に甘い。 蜂蜜のとろりとしたる感触に九は苦(く)にあらず四は死(し)に あらず 外塚 喬 金曜とい…

パセリ

地中海沿岸原産のセリ科の二年草。ビタミンA,Cが豊富で肉料理には欠かせない。サラダ、スープの香辛料としても栽培される。 パセリ青し日曜といふ週はじめ 岡本 眸 後朝(きぬぎぬ)や冷しスープに浮くパセリ 小林貴子 よろこびはかくかそかにて水を打ちよ…

筑波山(3)

古来、有名な歌枕だが、現代短歌にはさほど多く詠まれていないようだ。 みなの川もみぢ葉流る筑波ねの山もとどろに時雨ふるらし 契沖 つくば山しづくのつらら今日とけて枯生(かれふ)のすすき 春風ぞふく 賀茂真淵 ふりさけて見るものどけし筑波山は山しげ山…

筑波山(2)

筑波山は恋の象徴として多く詠まれたが、一方で主君の恩徳を賛美する歌も詠まれた。また表現上では、語呂合わせや掛詞も目立つ。 筑波山端山繁山しげけれど思ひ入るにはさはらざりけり 新古今集・源重之 筑波山木がくれおほき月よりもしげき人めはもるかた …

筑波山(1)

2009年8月13日のブログに次いでとり上げる。あらためて採番して、重複しないようにできるだけ多くの歌をとりあげよう。古くは「つくはね」「つくは(の)やま」と言った。万葉集について見ると、「つくは(の)やま」とした歌は六首。「つくはね」とした歌が…

神奈川の力石2

藤沢市の三カ所の神社を訪ねて力石を見て来た。詳細なる地図帳と所在地(近く)に行くバス路線図・時刻表が必須になる。近場だからと手ぶらで探すとひどい無駄足になる。身に沁みて感じた。 [立石神社]藤沢市立石 炎帝がからから笑ふ力石 炎天下どこまで探…

和歌に詠まれた滝

このブログで既に何回か滝の俳句や短歌を取りあげたが、古典和歌に詠まれた作品はまだなので、今回はそれをご紹介する。ちなみに万葉集には、垂水(たるみ)三首を入れて33首に詠まれている。 幾多(いくばく)も降らぬ雨ゆゑわが背子が御名(みな)の 幾許(ここだ…

ポスター

壁面や柱などに掲示するために制作される視覚的な広告・宣伝媒体で、紙またはそれに類するものへ印刷される。同一のものが大量に制作される。背景には絵画、イラストレーション、写真などが用いられる。タイトルやメッセージも記載される。チラシ、看板、ラ…

竹の歌(5)

竹の害もある。かつて筍を採るために栽培されていた孟宗竹の竹林が放置された結果、周囲の植生に孟宗竹が無秩序に侵入する。近世に日本に移入された外来植物である孟宗竹は、1950年代頃までは木材や筍を得るために管理された竹林にて栽培されていた。竹林の…

竹の歌(4)

日本では松・梅と並んで縁起のよい植物とされ、松竹梅をセットとしてさまざまな場面で使われている。竹を使った慣用句もある。雨後の筍、竹を割ったような性格、破竹の勢い など。 幹青き青年の竹はみづみづし触れたる掌あととどむるまでに 宮 英子 青竹は根…

竹の歌(3)

タケは気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多い。日本では東北に行くにつれ少なくなり、北海道では生育しない。ササは寒冷地にも自生する。北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない。 旱天に地下茎の生命枯るるとき…

竹の歌(2)

「呉竹」はマダケ(真竹、最も普通の竹)の異名。「こちく」は胡竹で、「こち来」の掛詞。「河竹」もマダケ・メダケの異名であり、川畔の竹を意味する。「なよ竹」は萎竹とも言い、細くしなやかな竹、若竹。「なよたけの」は「とをよる」「起きふし」にかか…

竹の歌(1)

竹はイネ科タケ亜科のうち多年生のものの総称である。十二属十五種ある。小さいものは笹という。字は竹の葉の象形。音読みはチク(漢音、呉音)、シツ(唐音)、訓読みは、たけ。また、日本最古の物語文学である竹取物語で主題とされているように古くから日…

蝙蝠(こうもり)

哺乳類翼手目の小動物で、唯一の飛行動物。ネズミ類に次いで種類が多く、果実食のオオコウモリ類と虫食のヒナコウモリ類に大別される。古名を「かわほり」という。俳句では夏の季語。「かはほり」「蚊喰鳥」が傍題。 浜町の路地の昔や蚊喰鳥 草間時彦 此の道…

メタセコイア(続)

メタセコイアは成長が早く、1年間に1mも成長するという。メタセコイアの名前の元になったセコイアも背が高く、米国カリフォルニア州のレッドウッド公園にある木は、高さが83.8m、直径が5.3mもあり、世界一高い樹木とされている。川崎市生田緑地公園のメ…

鮑(あわび)

ミミガイ科の巻貝。北海道南部から九州までの波の荒い外海に面し、水深20mまでの岩礁にすむ。産卵期は秋から冬。肉は生で食べられる。酢のものや蒸して食べても旨い。また殻は貝細工やボタンの材料になる。俳句では夏の季語。 腰縄の刀いかつくて鮑取 飯…

神奈川の力石1

日本の力石研究の第一人者である四日市大学・高島教授(医学博士)の著書『神奈川の力石』を見ながら、まだ出会っていない力石を探し歩いて、俳句や短歌を詠んでいる。ただ、高島先生から頂いたリストによると神奈川県だけでも423個もあるので、全部を訪ねる…

うさぎ

野兎、越後兎、飼い兎など種類は多い。夜間に行動する。頭数を数えるのに、一羽、二羽とするのは、肉が鳥に似ているからという。上代の東国では「をさぎ」と言った。 等夜(とや)の野に兎狙(わさぎねら)はりをさをさも寝なへ 子ゆゑに母に嘖(ころ)はえ 万葉集…

天の川(3)

銀河系は棒渦巻銀河で、総質量は約1兆2600億太陽質量であり、約2000億〜4000億個の恒星が含まれていると考えられている。銀河系のディスクは直径約8万 - 10万光年と見積もられている。太陽から銀河中心までの距離は約26,000 - 35,000光年と見積もられている…

天の川(2)

地球を含む太陽系は、数ある銀河のひとつ「天の川銀河」の中に位置しており、我々はこの銀河を内側から見ているために天の川が天球上の帯として見える。天の川銀河の中心はいて座の方向にある。天の川のあちこちに中州のように暗い部分は暗黒星雲で、その向…

天の川(1)

東アジアの神話では夜空の光の帯を、川と見ている。一方、ギリシャ神話では、これを乳と見ている。それが継承され英語圏でもミルキーウェイと言うようになった。 夕月夜影立ち寄り合ひ天の川漕ぐ舟人を見るが羨(とも)しさ 万葉集・遣新羅使人 ちはやぶる神も…

稲荷

京都の伏見稲荷は、和銅四年(711年)に山頂に鎮座、弘仁七年(816年)に現在地へ移されたという。もともとは秦氏の氏神で、全国の稲荷神社の総本宮。山頂の三峰には衣食住の三神を祀った。稲荷山は、古来、山城の国の歌枕であった。 滝の水かへりてすまば稲…

モスク

イスラム教の礼拝堂。アラビア語のマスジド(「ひざまずく場所」の意)からきている。スペイン語でメスキータ、英語でモスク、ドイツ語でモシェー、中国語では清真寺となる。 もともとモスクは、政府の布告を通達する役所、カーディーの法廷が開かれる裁判所…

昼顔

ヒルガオ科のつる性多年草。アサガオ同様朝開花するが昼になっても花がしぼまないことからこの名がある。アサガオと違って鑑賞用に栽培されることはない。地下茎で増え駆除が難しいため、おおくは雑草として扱われる。花言葉は「絆」。 このブログですでに何…

ロボット

この言葉は、1920年にチェコスロバキアの小説家カレル・チャペックが発表した戯曲『R.U.R.』において初めて用いられた。語源はチェコ語で「賦役」(強制労働)を意味するrobotaとされている。 産業、医療などの分野で開発され使用されているが、現状は産業ロ…

植物としては、中国原産のウルシ科の落葉高木。表皮に傷をつけて採取する樹液は漆器材として古くから利用されてきた。 崖のつちほろろ散る日の秋晴れに漆紅葉のさびしくも燃ゆ 若山牧水 たらたらと漆の木より漆垂(た)りものいふは憂き夏さりにけり 斎藤茂吉 …